自由な平面
この仕事をしていると「リノベーションって新築よりも間取りを自由にできないよね」と聞く事がよくあります。
確かにマンションリノベを設計する上でマンションの規定を守ることは絶対条件。
例えば構造躯体を壊すことはできない上、特別な許可が無ければ既存のサッシや玄関ドアを交換することは出来ません。
しかし、一度スケルトンにしてしまえば水回りの位置も大きく移動ができ、間取りだって自由に変える事が出来ます。
今までは「誰のために」作られたのか分からなかった空間が、「自分たちのため」の空間に作り変える事ができる。考え方によっては新築よりも自由だし、「既存を生かせる」という点では新築よりも勝っているとも思います。(もちろん新築が悪いという話では無い)
さて、そんな自邸も自由に平面を考えています。
自分たちの住まいであり、そしてLRの仕事場として計画しているため、プライベートとパブリックの切り替えが出来る家を考えています。
壁を設けて空間を遮断するのではなく、ひとつなぎになっている空間の床の素材の硬さを変える事で居場所の心地良さに変化を設け平面を分けています。
例えば完全に休む時はフカフカのソファ、ゆっくりしたい時は柔らかい畳、ちょっと活動的な時は無垢のフローリング、仕事する時は硬い土間の上。と言ったように体にかかる負担の違いによって空間が緩やかに分けられることを目指しています。
さらに切り替えのON/OFFが建具の開閉やそのガラスの種類や高さによって容易に行えるような仕組みを考えています。
建具は二重サッシも含めて全てこだわりの造作なので今からとてもワクワクです。
そして何よりも大切にしている事が回遊性がある事。
家事動線としての回遊性だけでなく、マンションでは停滞しがちな空気を循環し、風が各部屋を通り抜ける事でエアコン付けなくても気持ちよく暮らせる家を目指しました。
高めた断熱性能を最大限に発揮できるような「自由な平面」です。
LR 川上
2018.06.12 | 自邸リノベ