店舗/リノベーション
新しい薬局の在り方を模索し、優しく来客を迎え入れる
宮城県登米市に調剤薬局を計画した。
患者さんのもとへ薬剤師さんが直接お薬等をお届けする訪問型をメインとした調剤薬局になり、小さな店舗には待合室、薬の説明場所、調剤室が入っている。
こちらの小さな薬局は従来の『調剤薬局は薬をもらいに行く場』から『薬剤師さんと気軽に処方薬や心身の健康の相談ができる場』として新しい薬局の在り方を施主の薬剤師さんたちと模索しながら計画した。
待合室は来客の方々の待合の場としてではなく薬剤師さんの休憩場所、医療従事者の方々の勉強会あるいは異業種の方々との交流の場としてフレキシブルに利用できる空間となっている。薬局にお越しいただく方々が気軽に世間話をしにきたり、薬剤師さんとお話したりできる場として人々に寄り添える軒下空間をイメージして空間を制作した。
薬の説明場所は一部の間仕切りを可動式にし、個室にもできるようにした。患者さんとのセンシティブな会話にも対応できるようになっている。
調剤室は多種の薬、漢方、栄養剤などが収納できるように既製品の調剤棚ではなく、全て造作家具を設置し狭小スペースを最大限に有効に活用できる計画にしている。
作業台は立ち仕事がしやすいように天板の高さを高めに設定し、錠剤や粉薬が識別しやすいように黒い天板とした。
薬局の名前の「tumugu」は人、地域、想い等をとのつながり大切につむいでいき、次世代に価値あるものをつなげていきたいという想いが込められている。
新しい薬局の在り方を模索し計画を進め、地域の方々の憩いの場ともなり、地域の交流の場ともなり、人、地域、想い等を「つむぐ」場所となった。
所在地:宮城県登米市
構造:鉄骨造
竣工日:2021年4月
設計:LIFE RECORD ARCHITECTS (川上 謙・斎藤 絢)
施工:NTファミエスホーム
家具:TIMBER COURT
グラフィック:UMEKI DESIGN STUDIO