店舗/リノベーション
創業200年余の歴史を持つ山形の老舗菓子店・杵屋は、自家製餡や山形の素材にこだわったお菓子を製造販売し、県内に15店舗を展開しています。
そのうちの山形市東青田の店舗を2023年4月にリニューアルオープン。”菓子のある生活”を提案する茶寮付きコンセプト店舗「きねや菓寮」となりました。
リニューアルするにあたり、ロゴや商品提供のスタイルなど幅広くリブランディグが行われました。一番の変化は、できたてのお菓子を味わってもらう体験の場所作り。
山形にゆかりのあるデザイナーたちが参加して、新しいロゴにちなんで柔らかな円や線を形取った棚やソファなども造作し、統一感のある空間となりました。
この敷地の目の前は交通量の多い道路で、景観が良いわけではありません。カフェを設置する上で目指したのが、”視線の居心地の良さ”でした。
駐車場側には木製の塀を作って視界を遮り、道路側には歩行者用のアプローチを広く確保しながら芝生のスペースを設けています。塀の内側に植物を植えているため、成長によって風景が変わっていくのも楽しみの一つです。
以前は贈り物としてのお菓子を選ぶ場所でしたが、今は自分のために美味しいものを味わえる場所にもなりました。芝生のスペースではマルシェが開かれることもあります。お店で働きたいという若者も増えるなど、長い歴史を未来につなぐために多くの人たちに開かれたお店へとなりました。